La Vie d'un Guide

山の男! 江本悠滋のBLOG

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Patrick Berhault

pat.jpg

この【Patrick Berhault】と聞いて誰か解る日本のクライマーはどれだけ居るのか・・・
パトリック・ベゴが他界した時に彼の訃報をロクスノで僕が書いたの誰か覚えてるかな。
ヨーロッパのクライマー(アルパイン&フリー)の中では多分最も愛されて憧れだった
クライマーだと思う。
でも日本ではきっとほとんど知られてないのが現実だと思う。

自分も彼に最も憧れ、尊敬もし、一緒に登る機会も有った。

そして彼と一緒に山に入ると何故かただただ”楽しい”凄いオーラを感じられるクライマー
でした。正直彼が山で姿を消すとは考えられないほど技術的にも精神的にも心も凄い大きな
人でした。

そんな彼【パトリック】の事を多くの日本のクライマーに知って欲しいと思い少し書きます。


彼の印象は山が本当に好きなんだと感じる事と、その愛し方が素敵だと伝わること。
技術や経験、体力や忍耐力などの全てに置いて間違いなく世界1だと思う。
それは彼の若い頃の活躍を見れば彼がどれほどの技術者かが解る。
フリークライミング界の伝説と言われる【Patrick Edlinger】(パトリック・エドランジェ)と
共に1970年代後半にフランスでのフリークライミング普及をし、【8】のグレードを開拓。
Patrick B#233;rhault - Le toit dAuguste, 8b+ (lo abri#243; y encaden#243; en 1987)

↑彼のルートで最も有名なのがこれ【Le Toit d'Auguste, 8b+】

その後、フリークライミングから離れソロインテグラルクライミングへ。(普通にソロとは
違い1人で登る事をソロクライミングと呼ぶのですがソロインテグラルとはロープなどのセ
ルフに使われる道具を持たないってこと)
ドリュのアメリカンダイレクトをザックも持たず登ったり・・・
彼のスピードは凄かったようです。精神力の強さはこうして鍛えたのでしょうか。

1978年にセッピ崩壊で800m滑落と言う大きな事故に合う物の1979年にはヨーロッパア
ルプスの最も難しいと言われるルートをソロで登り記録を塗り替えて行きました。

1980年には【Jean-Marc Boivin】(ジョンマーク・ボワバン)と共にパラグライダーを使
ってドリュのアメリカンダイレクトとフウの南壁の1DAYにも成功。
その後様々な壁で連続登攀をするようになったようです。

その後85年からしばらく山からは離れて農業をしていたのですが90年にガイド資格を取る
事で山へ復帰。その後、ENSA(フランス国立登山学校)の教官となる。92年からは連続登
攀のスピードアッセントを冬の寒い時期を好んでソロで行なうようになる。

91年:モンブラン山群の完全縦走
 これだけ凄い稜線が続くモンブラン山群での縦走は距離には帰られないほど長いです。

92年:モンブランプトレイのスーパーアンテグラルの1Day

95年:Corno Stella北壁のHughetto-Rugeriルートの初ソロ

95年からは【Voyage】(ヴォヤージュ=フランス語で【旅】)と言う登山スタイルを確立し
はじめます。

1997年2月28日~3月3日:1週間で4つの北壁の連続登攀
 - Coltonルート(ドワット北壁)
 - MacIntyreルート(グランドジョラス北壁)
 - Cencchinel-Nomineルート(ピリエードングル)
 - Hypercouloirルート (モンブランブリヤー側)
 この時のパートナーは僕も凄く良く知ってるフォンシス・ビボレ
全て足とスキーを使っての移動、最後はモンブラン山頂で終わりスキーでシャモニーまで
帰ってくると言うもの。

1998年2月12日~18日:1週間で4つ
 - Ginel Pinard ルート(ペルブ北壁)
 - ピックソンノンの北壁
 - ピック・デュ・クー・デュ・サーブル
 - Devies Gervasutiルート(エイルフォワッド)
こちらも足とスキー・・・

2000年8月~2001年2月までの期間で【La grande traversée des Alpes】(アルプス縦走)
この167日間の旅は所々でパートナーが交代してスロベニアからメントン(南仏)の縦走。
2000/08/27:  Triglav北壁
2000/09/05: Cima ovest /Cassin-Rattiルート
2000/09/06: Cima Grande/Brandler-Hasseルート
2000/09/11: Civetta/Sollederルート
2000/09/12: Civetta punta Tissi / Phillip-Flammルート
2000/09/13: Civetta cima Su Alto/Livanos-Gabrielルート
2000/09/16: Marmolada/Poissonルート
2000/09/18: Marmolada di Rocca /Vinatzer et variante Messnerルート
2000/09/25: Crozzon di Brenta /フレンチピラー
2000/09/26: Brenta Alta/ Detassisルート
2000/10/04: Piz Cengalo / nord-ouestルート
2000/10/24-25: Grandes Jorasses北壁/ Goussault-Desmaisonルート
2000/10/28: Mont Blanc/Hypercouloirルート
2000/11/29: マッターホルン北壁
2000/12/4-5: アイガー北壁
2000/12/13: Grande Casse/Boivin-Diaféria-Maurinルートの第2登
2000/12/19-20: Aiguilles d'Arvesの縦走
2000/12/22: Meije/Pierre Allainルート
2000/12/27: Dôme de neige des Écrins/Bonnepierre側から
2000/01/08-09: Visoの北壁
2000/01/17: Corno Stella北壁/Ughetto-Ruggeriルート
2000/01/29: Marguareis北壁/Gognaルート
2000/02/09: イタリアとフランスの国境のメントンのビーチに到着

これら全て足とスノーシュー、スキー、自転車で移動と言うのも彼らしいです。

2003年2月11日~3月5日:モンブランの裏にあるエイクルの避難小屋に滞在し、アイス
主体のルート8本と岩主体のルート8本の連続登攀:
"brouillard givrant"
"cascade notre dame"
"hypercouloir du brouillard"
"hyper-goulotte"
"Abominette"
"Fantomastic"
"Freynesie Pascale"
"Grand couloir du Freney"
"cascade Grassi",
"Pilier derobe du Freney"
"Pilier central du Freney"
"Pilier sud du Freney"
"Pilier central du Brouillard"
"Pilier droit du Brouillard"
"Pilier rouge du Brouillard"
"Pilier gauche du Brouillard"
まあモンブランイタリア側に有る良いルート全部を2週間で登るって感じですかね・・・。

そしてヨーロッパの4000m峰の82座を全てを82日間で登ると言う(もちろんバリエーション)
【4000m des Alpes】に出発、64座を登り4月28日にドムの稜線を登攀中にセッピが崩れ
パートナーの【Philippe Magnin】(フィリップ・マニアン)の目の前から消え他界。
もちろんこれも足とスキーのみ使用。

1954年に生まれたパトリックは当時47歳。

あの笑顔と南仏のアクセントでの会話はとても気持ち良く山の美しさを映し出したかのよう
にも感じる人柄でした。ナイフのような稜線であの軽やかな動きは今も僕の目に焼き付いて
います。

そんな彼が他界して4年。すでにフランスでは映画が2本、本も2冊出版される程のクライ
マーでした。
スターと呼ばれるような輝かしいクライマーでは無かったのですがクライマーなら、山が好きな人なら誰もが知っていた大きな人でした。
本当の意味で凄い人だったと思う。

僕がここに書いた事は彼の技量やアイデアの一部しか伝わらないと思うけど・・・
1208432456.jpg

↑最近発売された彼の人生を追った本です。
GUERINから発売されてるけどフランス語だから・・・日本の人には読んで貰えないのが残念
です。


江本悠滋のオフィシャルサイト
《http://www.emoto-yuji.com》
  1. 2008/07/10(木) 21:26:27|
  2. 豆知識
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:3
<<岩場で見つけた美 | ホーム | SIMOND>>

コメント

この本は、シャモニで売ってますか?
自分の興味のある分野では言語の壁を乗り越えて読んでみたいと思うものです。
それが一番の語学習得法かもしれないし。
  1. URL |
  2. 2008/07/11(金) 00:02:08 |
  3. inconito #-
  4. [ 編集]

もちろんシャモニーの本屋さんなら何処でも売ってます。フランス中の本屋でも手に入るはずですし、ネットからの注文も出来るはずです。
  1. URL |
  2. 2008/07/11(金) 00:36:29 |
  3. EMOTO #-
  4. [ 編集]

ありがとうございます。
確かにシャモニの本屋にたくさんありました。写真がたくさん掲載されてて(素晴らしくて1hr程立ち読みしそうになった)重かったので、現地では別のペーパバック風の日本では手に入らなそうな方を購入し、ご紹介の赤いデラックスな方はネット注文しました。辞書片手ですが、惹き込まれるだけで言語の壁の苦痛は感じません。
因みに、今年はロジェールが閉まってたので、Le CryのAROLLESキャンプ場に泊まりました。エギユ・デ・ミディ駅近くの欧州の若いクライマーがたむろしてる感じのとこで、技術と共に考え方に触れる機会に恵まれました。
これは、環境がよくクライミングがポピュラーな地所以かもしれません。フランス全土がそうか私にはわかりませんが、自分が忘れていたような豊かさを感じ、かけがえのない楽しいものです。
  1. URL |
  2. 2008/09/01(月) 23:08:43 |
  3. アル(プス)中 #-
  4. [ 編集]

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Author:江本悠滋
☆フランス国家山岳ガイド
☆フランス国家スキー指導員
☆UIAGM国際山岳ガイド

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