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La Vie d'un Guide

山の男! 江本悠滋のBLOG

アメリカのガイドシステム

amga_logo.gif

昨日頂いたコメントに早速返事をしましたが、ふときちんと調べてみようと思い調べてみました。
まずアメリカにはやはり様々な団体が各自の資格を発行しています。
しかし、国際的ガイド組織(UIAGM/国際ガイド連盟)に登録されている組織は《AMERICAN
MOUNTAIN GUIDES ASSOCIATION
》と言う組織です。
※数名の国際ガイドと思っていましたが今では数十人の国際山岳ガイドが居るようです。
この組織が発行する資格を見てみましょう。
-IFMGA ←※このカテゴリーのガイドが僕が呼ぶ山岳ガイドですね(国際山岳ガイド)
-Certified Rock Instructor
-Certified Rock Guide
-Certified Alpine Guide
-Certified Ski Mountaineering Guide
-Certified Ski Guide
-Certified Top Rope Site Manager
-Certified Single Pitch Instructor
-Certified Climbing Wall Instructor

とまあ沢山の資格が有るのにビックリです。クライミング系の特殊な資格が
-Certified Rock Instructor
-Certified Rock Guide
-Certified Top Rope Site Manager
-Certified Single Pitch Instructor
-Certified Climbing Wall Instructor

これだけ有るのにもびっくりです。そして何よりビックリなのがこれらの資格に対する《職務内容》です。
-Certified Rock Instructor (ロッククライミングインストラクターと言う意味かな)
 ☆ヨセミテデシマルグレード3級
 ☆5.10aまでのルート
 ☆ショートロープ技術を使うようなアプローチや下りが無い
 ☆ゲレンデ的なエリア(これは原文にはエリアの距離的な事なので解り易くこう表現します)
 ☆アプローチ等に氷河や雪、スキーを使用しない、雪崩の危険が無い

-Certified Rock Guide (ロッククライミングガイドって意味かな)
 ☆ヨセミテデシマルグレード4級
 ☆5.10cまでのルート
 ☆アプローチや下りで安全確保の為にショートロープ技術を使う
 ☆ゲレンデ的なエリアで無くて(これは原文にはエリアの距離的な事なので解り易くこう表現します)
 ☆アプローチ等に氷河や雪、スキーを使用しない、雪崩の危険が無い

-Certified Top Rope Site Manager (トップロープでのサイトマネージャーってのはそのままかな)

-Certified Single Pitch Instructor (シングルピッチインストラクター)

-Certified Climbing Wall Instructor (ジムインストラクター)

下の3種類に関してはホームページで見て下さい。

ここで僕が気に成る事に皆様も気が付きますか??

ロッククライミングインストラクターで  5.10a まで・・・
ロッククライミングガイドで 5.10cまで・・・
ってどうなんでしょう。だってこれ以上のグレードを参加者に登らせては行けない。
(言い換えるとそれ以上登らせる技量をインストラクター持ってませんし、持っていたとしても登らせる権利がないですよって事でしょう。)

アメリカ的な発想の《一般の人》にアトラクションとしてクライミングを売る《商売》の為だけの資格に感じます。
※一般の人ってのは難しい表現だけど、クライミングジムにボーリングに行く感じで来る人程度って感じかな~
やはり本当にクライミングの楽しさを伝えるには、《続けられる》ようする事から始まると思います。
インストラクターとしての身を守る為(決められたルールを守る義務が有ると言う意味)に『このルートは10aなので僕は登らせれません』と言えるのか・・・

それにしても10aまでのクライミングインストラクターってどういう事なんでしょう。インストラクターって何?

かなりビックリな内容でした。
  1. 2007/11/30(金) 12:59:47|
  2. お知らせ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
<<またまた9a・・・ | ホーム | 沖縄料理を食べながら>>

コメント

コメントさせて頂きます。

前回中山さんの記事でコメントを残させて頂き、返信内容で色々と考えさせられ、学ばせて頂きました。今回の記事に対してのコメントですが、非常に気持ちは分かります。『山岳ガイドとは』で聞かれた場合、まずガイドを雇うお客様は、『素晴らしい国際山岳ガイドの方だ!この学校を出て、こんな素晴らしい場所でガイドした経験があるガイドさんだ、雇ってみよう』となるのでしょう。ドイツミュンヘンにある山岳ガイド学校を卒業したガイドさんが、『アメリカのガイドなんて未だ若僧だ、ガイドと呼ぶ資格がない』と5年前、ガイド研修で言われた経験もあります。その時『あ、ガイドになる人は、他国の人をそこまで言うのか…』と悲しい反面、『そうか、やはり世界最高標準のガイドになる為には、何が何でもトップと狙う、技術が高い最高のガイドにならないと駄目なんだな』とも同時に思いました。

記事にもありました通り、AMGA(アメリカ山岳ガイド協会)には様々なガイド選択があります。笑えるとは思いますが、その『トップロープマネジメント』や『シングルピッチインストラクター』などですよね。他国のガイドの方は『は?』とお思いでしょう。

私はアメリカ人ではありませんが、彼らの言い分はこうだと思います。『ガイドさんはすごい山や岩をお客さんと登るけど、トップロープだけ楽しむ(レクリエーションクライミング)には、しっかりとした技術のトップロープ技術者が必要ではないか?』と思っているだけだと思います。勿論山岳ガイドさんも出来るのも当然です。アメリカっぽいですよね。他国のガイドさんからすると『なんじゃそりゃ』ですよね。シングルピッチも同じことです。

去年までフランスもクライミングだけの認定資格があったと理解しています。間違えていたらスイマセン。それの『レクリエーション認定書』みたいなものだと理解してください。それがおそらく理解しずらい部分でしょう。

また、認定資格内に『5.10aを登る』と言う言い方は、正直可笑しいですが、経験上、それしか登れないクライマーは受かっていません。おそらく。

インストラクターの認定書ですが、フランスでは通用しないと思います。ガイドというプロがいますから。フランスでもいるかもしれませんが、アメリカ人のククライミングインストラクターの中には、30年雪山やスキーを趣味程度しかしないロッククライミングガイドさんがヨセミテ、ラスベガス(レッドロックス)に多々います。彼らは立派なロッククライミングガイドさんで、海外から来る全てこなせるガイドさんより数倍も安全にガイドします。もちろんホームグラウンドですから良く出来るのも当たり前ですが…。

最後に、AMGAは努力しています。まだまだ世界水準に達していない部分も多々あり。でも必要とされているからこの団体があります。その中から数十人の国際ガイドさんまで成長しました。ヨーロッパのガイドさんより出来ないガイドかもしれません。彼らの努力を認めてくれる人が増えると嬉しいです。ちなみにインストラクター免許を去年リン・ヒルが取りました。トミーコールドウェルもこのAMGAに参加する考えを持っています。なぜ?直接聞いてみてください。僕は彼らの考え分かります。AMGAからアドレス取得可能です。

色々言ってスイマセンでした。最後に、本当に尊敬します。雪、岩、山全てをガイドするガイドさんを。今後とも勉強させていただきます。
  1. URL |
  2. 2007/11/30(金) 14:10:01 |
  3. Naoya #-
  4. [ 編集]

なんだかチャットみたいに成ってきましたね。(笑い)
怪我中でパソコンの前にいる時間が多いですし、しかり答えたいと思いますのでお返事しますね。

僕はけして何処の資格が優れているかはどうでも良いのです。

1歩下がって、世間を見て、そこはどうであり、自分はそこで何をしているのか。を少し把握し、少しでもより良い方向に向いていたいだけです。

トミーやリンヒルが参加したいのも解ります。
フランスでは資格がなければ仕事出来ない《資格社会》です。アメリカも同じかな。
なので合法的にクライミングを人に教えてお金を貰うには資格が必要なわけです。
その本人にクライミングを人に教え、それに対してお金を貰う気持ちが有るのか、がこの話の主です。
実際にフランスの有名クライマーの大半はガイドかクライミングインストラクターです。
※だって最終的には”元”って付くトップクライマーなんですから。食べる為には働くしか・・・

コメントのクライミングだけのフランスの資格ですが
フランス国家資格のクライミングインストラクターの資格です。
彼らは標高の制限(標高1500m以上はNG)、氷河や雪、ショートロープを必要とする場所はNGです。ある意味アメリカのクライミングインストラクターと似ていますが、大きく違う所は1つ。最低必要な技量でしょう。

フランスのクライミングインストラクターの入学試験の1つに実際のクライミングが有ります。試験当日に12a以上のルートが3本容易され試験官の前でゼッケンを付けてと言う環境で2本のオンサイト成功が条件です。これが職業としては2の次である《技術》の最低レベルと見なしています。これが入学試験です。
※アメリカで10aぎりぎりで成れるとはさすがに思いませんよ。naoyaさんがどの位登れて成れたのかの方が皆さん興味あるんじゃないかな。

フランスのガイドの技術レベルが高いのは有名な事ですし、実際に違う国と比べても”平均値”は高いです。でもガイドとしての職業レベルが高いか?と言われれば低いガイドもた~くさんいます。

なので、自分が所得した資格や所属団体がどおうこうでは無く、自分自身がどうであるかが大切だと自分は思い、それを大切にしたいと思うだけです。

そして何より、この無法地帯の日本ではガイドやクライミングインストラクターの認知度や社会的認知が低いです。有る意味正しく評価されてるのかも・・・

認知レベル低いと思うのは自分がもっと高くと理想が有るからなわけで、その為には自分が自身、個人が高く意識を持たなければ居なければいけないと思うのです。

前の記事に有った【コビッキー】さんのように思う人が増え、それを裏切らないで行く事がこの仕事の発展でしょう!!
  1. URL |
  2. 2007/11/30(金) 14:51:05 |
  3. emoto #-
  4. [ 編集]

ほんと、チャットですね。

僕も今日はオフです。怪我、お大事にしてください。

その技術テストの件、シャモニーでキャニオリングスクールをしている友人に聞きました。そんなテストはアメリカには…ありません。

基本的には、『安全に登る』です。

全てのクライミングはトラディショナルです。スポーツはまったくありません。のでボルトなしです。

僕はガイドも取りました。サイトにはそう書いていませんが。インストラクターは6日間の試験でガイドします。レベルは5.10以上で5ピッチ前後。アプローチからショートピッチまで全てを見られます。もちろん!氷河などはありませんし、アメリカ本土にもアラスカ以外(一部ワシントン州)ありません!

ガイディングの正確さを見られるのがインストラクターの資格です。なのでEMOTOさんの言う、『クライミングのインストラクターは上手くなくてはいけないのでは?』ではないですね。正直ニードルとかヨセミテの5-10ピッチのクライミングを早く安全に登るがポイントです。ガイド試験はそれを長くしたものですね。

フランスの様に5.12をオンサイトするテストはありません。もしあるとしたら、アメリカなので『そんなの簡単だよ、それでインストラクターの免許取れるの?』で受講者が殺到すると思います(笑)その結果、上手いけど安全面では…で落ちる方々が殺到するでしょう。

以上、色々ありがとう御座います!

naoya
  1. URL |
  2. 2007/11/30(金) 15:35:17 |
  3. Naoya #-
  4. [ 編集]

何だろう?
何かが伝わらないな。

僕の中でもそして多くの人もガイドとインストラクターとの違いが解るかな??
僕の辞書(頭の)では
ガイド=案内人
インストラクター=指導員
日本風に解り易く言えばインストラクターは【先生】だがガイドは違う。
※これフランスもこの考えです。

資格の事がまたまた出ますが、フランスのクライミングインストラクター育成コースの入学試験の試験科目の1つに【実際】が有ると言う事です。ここで12aと言う解り易い数字を書きました。
これは○○大学に入る為の入学試験の1科目にクライミング技量試験が有るのと同じです。それらの試験に合格すると指導員としての適正能力を学ぶ為にその後2年学校へ通います。この間クライミングインストラクターではないのでもちろん仕事はできません。
そして全てのカリキュラムが終わってまた資格試験が行われ合格者がインストラクターに成ります。※全てのカリキュラムが終わる前に落第も有り当然あります。
カリキュラムの中ではアメリカ同様トラッドだけのルートでの講習や試験が有ります。11後半から12前半の5ピッチ程度のルートを登れないといけません。
どっちだ技量が高いかなんて話はどうでも良いのです。

フランスは国家資格です。スポーツ省と言う国の機関で管理されている以上、他の国の1団体と資格制度を争っても国家資格が資格としては高く評価されてしまいます。

僕はやはりクライミング(スポーツとしての)を教えるのであればインストラクターは上手くて当たり前だとも思うし、上手いにこした事は無いと思います。もちろん上手いからと言って安全等がおろそかに成るのは良く無い事は話をする以前の事と思って下さい。
※この判断は誰にも出来ないでしょう。
判断の基準がルールです。 ルールを守らないことは全て安全を無視していると言う事に成ります。当然ですがね。

もうひとつ。ヨセミテの壁を『早く&安全』に登るのがって有りますが
これにまず初めに必要なのは高いクライミング能力です。その次に早く登るシステムです。
それは今ヨセミテで流行のスピ-ドクライミングを見ても解ります。
世界のトップクライマー気分で11クライマーがスピードクライミングに挑戦しても早くて安全はかなわないでしょう。
早くを意識しすぎて安全がおろそかな成る確立は上を向けば向くほど技術レベルが低い人の方が危険でしょうね。※中途半端なレベルが一番あぶないでしょう。

しかし、安全には求める安全基準のレベル毎に必要な技量が有り、その技量が有って初めてそのレベルの安全基準が整う可能性があると思います。

このBLOGを読んで下さってる人は色々なスタイルでクライミングに接してる方がいらしゃると思います。皆さんの意見もどうぞ!!

  1. URL |
  2. 2007/11/30(金) 16:14:41 |
  3. emoto #-
  4. [ 編集]

Naoyaさん
補足です。
『僕はガイドも取りました。サイトにはそう書いていませんが。』と有りますが、
何ガイドですか?それからサイト公表してみては?(僕は全部オープンです/笑い)
それから、AMGA(アメリカ山岳ガイド協会)の名簿にはロックインストラクターに成ってますよ。もし他にもあれば連絡して『僕載ってません!』って言うべきだと思いますよ。資格はこう言う業界大切な名刺ですからね。

  1. URL |
  2. 2007/11/30(金) 16:37:10 |
  3. emoto #-
  4. [ 編集]

資格大切ですね。

そこの『資格』に敏感になってしまいましたか…面目ないです。触れるべきではありませんでした。僕は世界に通用するガイドの免許はありません。

ガイド業として辞めるべきですね。地道にビギナーへの指導としてやっていきます。資格がココまで強いのは、危険が伴うからですものね。

色々指導ありがとう御座いました。
  1. URL |
  2. 2007/11/30(金) 17:18:18 |
  3. Naoya #-
  4. [ 編集]

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